緩やかなダイエット方法
健康も害すると、病気になり治療代や入院代がかかってしまう、大きな「お金」の問題です。
歳を取ると糖尿病が怖い
50歳も超えてくると、気になるのが「血糖値」です。血糖値が高いと糖尿病になるとよく言われますが、もっと怖いのがその合併症です。具体的には「腎症」になっての人工透析や「網膜症」による失明、「神経障害」による下肢切断などがあります。さらに「動脈硬化」による心筋梗塞や脳卒中などのリスクも高まると言われています。
皆さんが毎年受診している人間ドックで、糖尿病に関する数値としては、「食後血糖値」と「HbA1c(%)」がありますが、糖尿病の専門医によればHbA1c(%)が大事だと言います。HbA1cは約2か月間の血糖値の平均値が出ますので、慢性的な血糖値の高さがわかるようです。
糖尿病(もちろん合併症までいかない方ですが)の友人は、「薬があれば進行が止まるので問題ないよ」と言いますが、私は薬を飲みたくありません。彼自身も少しづつ合併症の兆候が見え隠れしているようです。
私は、2023年の4月に糖尿病の専門医を受診して、血糖値(HbA1c(%))の管理を始めています。直前の人間ドックでの結果でHbA1c(%)が6.1という数値でした。50歳代時代から5ポイント台後半がずっと続いていたのですが、60歳になって初めて6ポイント台に入ってしまったので、「これはまずい」ということで受診をしたわけです。
糖尿病専門医の見立てでは、HbA1c(%)の6.1は「糖尿病予備軍」つまり糖尿病一歩手前ということになるようです。薬を飲むまでではないが、このまま生活習慣を変えないでいると、間違いなく糖尿病になり、薬を飲むことになる、ゆくゆくは人工透析になる可能性もあると脅されました。
そこで専門医から指導されたのが「減量」と「節酒」です。当時の私の身長は178㎝、体重が約71㎏、決して太っているというわけではありませんが、計算上の標準体重は69.5㎏、自分としてなんとなく調子が良いかと思う体重が67.5㎏です。ここからダイエットとお酒の管理を始めることになりました。
ダイエットとリバウンドの繰り返し
まずはダイエットです。下のグラフは2023年5月からの私の体重の推移を表しています。ほぼ半年間で9㎏ほどダイエットすることができ、おかげさまで今時点でも体重をキープできています。血糖値の方は2カ月に1回専門医を受診して血液検査を行っていますが、HbA1c(%)は5.9~6.0で安定しており、「この状態であれば糖尿病の心配はない」と言われています。
ここから私のダイエット方法をお伝えしましょう。私は過去2回ほどダイエットに挑戦しており、それぞれいったんは体重が落ちて成功したのですが、いずれもリバウンドしています。下の表です。
42歳の時に63.3kgまで落として、その後75kgまでリバウンド、そしてまた55歳に67.4 kgに下げたもののまた72kgまでリバウンド、ダイエットとリバウンドを繰り返していました。
その時のダイエット方法は、飲まず食わずのカロリーオフ方式、そしてとにかく走る。確かに短期間で減量はできたのですが、筋肉も同様に落ちてしまった状態でした。結局普通に食べ始めると、あっという間にリバウンドするのは当然です。
苦しくないダイエット方法
そして今回いろいろと調べて実行したのが、名付けて「糖質100gダイエット」。正直、空腹は全く感じないダイエットです。
まずは栄養素についておさらいしたいと思います。人間に必要な三大栄養素は「炭水化物」「脂質」「たんぱく質」です。炭水化物(糖質)とタンパク質は1gあたり4キロカロリー、脂質は1gあたり9キロカロリーあると言われています。それぞれの栄養素のカロリーを足したものが摂取カロリーになるわけです。
太る原因(逆に痩せる要因)は、炭水化物(糖質)の過剰摂取(制限して中性脂肪を使う)だと言われています。私のダイエットはこの炭水化物(糖質)をある条件で制限するやり方です。ちなみに炭水化物は糖質と食物繊維に分けられるのですが、食物繊維は気にしなくて大丈夫です(ここからは炭水化物を糖質と置き換えて書きます)。
ここからが大事なところです。実は糖質が肝臓に一度に貯められる量が100gと決められていて、それ以上摂取すると中性脂肪として血液中に流れ込み貯め込まれます。一方で糖質は何もしなくても1時間につき7.5gが消費されます。そこで今回のダイエット方法は、肝臓にため込む糖質の量を、常に100g未満にするように食事に気をつける方法です。これを守ることによって余計な中性脂肪を作ることがないので太ることはありませんし、マイナス分だけ©元々ある中性脂肪を使ってエネルギーとするので痩せることになります。他の栄養素は好きなだけ取りました。肉や魚、野菜などはいくら食べても太りません。
糖質の代表的なものと言えば「ご飯」。男性の茶碗1杯のご飯は糖質が56gです。女性の茶碗だと46g。午前7時の朝ごはんに男性の茶碗一杯のご飯を糖質として取って、他はおかずで糖質を取らなければ、56gの糖質摂取となります。その後12時のお昼までは5時間がありますので、先ほどの1時間あたり7.5gの糖質が消費されますから、56gマイナス(7.5g×5時間)=18.5g、つまり肝臓に貯蔵できる糖質は81.5gになります。さらに12時のお昼に食パンを主食の糖質として取った場合は、45gの量となります(食パン1枚 8枚切り)。これで肝臓にある糖質は63.5g(18.5g+45g)。さらに夕方7時までは7時間があります。糖質は何もしていなくても1時間あたり7.5gが消費されますので、7時間で52.5gが無くなり、肝臓の空きは89gとなります。夕食で主食に男性の茶碗一杯のご飯で56gの糖質を摂取。この流れでいくと肝臓には常に100g未満の糖質しか貯蔵されず、太る可能性はありません。逆に100gに足りない糖質のエネルギー必要分は、もともと蓄えられていた中性脂肪が使われることになるので、その分脂肪が減って痩せていくことになります。
私はこの繰り返しで、さらに運動を加え、糖質の1時間あたりの消費を増やすことで、中性脂肪をより減らしていきました。この間で「脂質」(もちろん取りすぎはコレステロール過多になるので注意が必要です)や「たんぱく質」は好きなだけ摂取しました。特に「たんぱく質」は体重1kgあたり1gは最低必要ですので、私は1.5倍ほど取るように意識しました。筋肉量の維持にも「たんぱく質」は絶対に必要です。
こうして約半年で約9kgの減量に成功しました。そして今でも糖質の「肝臓貯蔵量100gルール」を意識することで体重をキープ出来ています。ちなみにお酒もほぼやめています(これは肝臓をいたわるため)。
「糖質ダイエット」といって、まったく糖質を取らない方もいらっしゃいますが、栄養不足で逆に体を壊したりする場合がありますので気をつけましょう。今回私がご説明したダイエット方法は、「緩いダイエット」方法としてお勧めできるものだと思います。
糖質量の一覧がみられるサイトもご紹介しておきます。
この記事を書いた人
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専門分野
ライフプラン、リタイアメントプランニング、金融資産運用、税金、相続、終活全般
主な資格
AFP、2級FP技能士、終活アドバイザー、認定ファシリティマネジャー(CFMJ)
略歴
大学卒業後、総合オフィス家具メーカーに入社後、法人営業、海外(ドイツ)駐在、国際業務、ECサイト運営、営業管理/企画、経営企画などを経験。現在は再雇用社員として勤務の傍ら、FP・終活アドバイザーとして活動中。
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